プロが教えるチューリップQ&A チューリップが咲かないのはなぜ?
楽しみに育てたのに、葉は出たけど花が咲かなかった…、蕾が途中で枯れてしまった…
そんな経験はありませんか?!原因と育てるときの重要ポイントをまとめました。
Q.チューリップの葉は出たけど花が咲かない… 蕾が途中で枯れた・・・・
(1)水枯れ チューリップは植えてから枯れるまで土が乾かないように!
チューリップを育てる上で私たちが一番のポイントに上げるのは肥料や土ではなく、間違いなく「水やり!」です。「水やり3年」と言われるほど、水やりは簡単なようで難しくチューリップを育てる上で最も大切で最も失敗の原因として多いものです。
チューリップは植付け後、土壌中に水分があることで根を成長させます。植付け後には、たっぷりとお水をあげることが重要です。鉢植えの場合は、鉢底から水が流れでるまでしっかりとあげましょう。植付けから花が咲くまでに水分不足になると、球根内部にある花の芽が枯れてしまい、結果、春に花が咲かなかったり、蕾が生育中に萎れたりします。冬でも土の表面が乾いたら、水をたっぷりあげましょう。特に鉢植えの場合や温暖な地域では土が乾きやすいので注意が必要です。芽が出てからの生育期にはお水を多く必要とします。
お水やりを忘れないために、ビオラやパンジーなどの花苗と一緒に植えてあげるといいでしょう。土壌中の水分が少なくなると、ビオラがぐったりするため、水やりのサインです。
水やりのコツはこちらから→
植付け適期は紅葉が見ごろな頃に!
チューリップの根の生育適温は10~15℃くらいです。暑すぎたり、寒すぎたりしても根がしっかりと生育できずに、春の生育期に十分に水分を吸うことができません。そのため水分不足になり、蕾が途中で枯れてしまうことがあります。そのため、植付け時期は紅葉が見ごろの頃を目安に植付けてください。
(2)高温に遭遇・・・・ 冬は屋外で十分に寒さにあてる
チューリップの翌年に咲く花の芽(花芽)は、秋には球根の内部にできています。
9月から蕾が出てくるまでに、極度の高温に遭遇すると、花芽が枯れてしまうことがあります。そのため、球根が届いてから次のことに注意してください。
・球根の保管場所…ダンボールから取り出し直射日光の当たらない、風通しの良い場
所に植付まで保管
・植付け時期…残暑を避け、紅葉の見ごろな頃を目安に植え付ける
・冬の間、屋外で十分に寒さにあてる。
チューリップは冬の一定量の寒さに遭遇することで花茎の伸長や開花に影響する植物ホルモンが生成されます。
鉢植えの場合は、鉢の中の温度が上がらないように、大きめの鉢に植え、置き場所は戸外の(室内はには置かない)、雨や雪のかかる寒いところを選びます。温暖な地域では特に乾燥しやすいので、冬の間は日陰に置くとよいでしょう。特にエアコンの室外機からでる温風には注意をしてください。また、照り返しを防止のため、コンクリートに直接置かず、ブロックやレンガなどの上に置くなど工夫をしてください。庭植の場合は、日当たりの良い場所でも大丈夫です。
Q.同じように育てたけど、品種によって花が咲かなかったのはどうして?
人間も同じ環境で育てても、風邪をひく子と元気な子がいるように、チューリップも品種によってあまり管理をしなくても咲く品種と、途中で枯れてしまう品種があります。
品種によって咲かない原因は前項での説明と同じく「水枯れ」か「高温に遭遇」が原因です。同じ環境で育てても(同じ鉢の中でも)、生育中にたくさんの水分を必要とする品種は水枯れになりやすく、温度変化に弱い品種は花芽が枯れて咲かなかったということが生じます。
体の大きい子はよく食べるのと同じように、チューリップでも草丈や葉が大きいDH(ダーウィンハイブリッド)系統の品種は生育期に水分を多く必要とします。また、一般的にユリ咲きやビリデ咲きは高温や水枯れに弱いとされています。
できるだけチューリップが最適な環境下で育つよう、鉢植えで栽培する時には、深さのある大きめの鉢で、乾燥しにくいプラスチック製の鉢をおすすめします。
チューリップの花が咲かないご相談の中で、大切な栽培のポイントについてまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。