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コルチカムの育て方

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コルチカム

コルチカム八重ウォターリ-小

コルチカムとは

 


栽培カレンダー

コルチカムの栽培カレンダー

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開花期
肥料
植付け
*関東以西基準

【栽培ポイント】
水を与えなくても花が咲くコルチカムは秋に開花した後、露地植えにするのがおすすめです。球根を大きくするためにも花後早めに植え付けてください。

【植付場所】
冬から春にかけて葉が生育します。できるだけ日当たりの良い所で育ててください。
寒さに強いのが特徴です。

水やり・肥料
生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。休眠期は特に水やりは要りません。肥料は植え付ける際に土の中にあらかじめ混ぜておきます。追肥として庭植えの場合は葉がでる頃(2月頃)と暖かくなる頃(4月中旬以降)に1回ずつ粒状の肥料を施します。鉢植えの場合は葉が出て枯れるまでの期間薄めた液体肥料を2週間に1回の割合で与えます。
用土
水もちと水はけがよく、有機質に富んだ土壌が適地です。鉢植えは、赤玉土5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜた用土を使います。庭植えは植える場所に、あらかじめ腐葉土を混ぜ込んでおくとよいでしょう。
植え替え・植え付け
植え付けの適期は8月から9月です。球根は大きいので、4号~5号鉢に1球が目安です。深さは球根の先端が地表すれすれの位置にくるようにします。

露地植えは深さ5~6cm、15~20cm間隔で植え付けます。ややゆったりとした間隔に感じますが、花後に葉っぱがけっこう茂るので、その程度が適当です。
掘りあげ
球根が増えてスペースが手狭になったら掘りあげて球根を分けてから改めて植え付けます。球根が大きくなるペースはさほど速くないので、鉢植えは2年に1回、露地植えは2~4年に1回を目安に掘りげます。掘りあげるタイミングは葉っぱがだらしなくふにゃっと垂れて、全体的に黄ばんできた頃です。
掘りあげた球根は表面をしっかりと乾かしておかないと貯蔵中に腐ることがあります。風通しのよい日陰で陰干してから、ネットなどの風通しのよい袋に入れて、冷暗所で保存します。適期になったら球根を手で分けて植え付けます。
ふやし方
球根が大きくなって自然に分かれます。掘りあげて貯蔵し、植え付ける時に手で分ければよいでしょう。
かかりやすい病害虫
白絹病
白絹病は風通しが悪くて湿度が高くなると発生しやすい病気です。株元に白い菌糸が発生して株が枯れます。他の株にも伝染するので発生した球根はすぐに処分します。水はけのよい用土で植えること、球根を詰め詰めに植え付けないことなどが大切です。


【注意】
球根やタネに含まれるコルヒチンは劇物で中毒例も知られています。球根を誤って口にしないよう気をつけましょう。

コルチカムの葉
花後に葉を出す
ヨーロッパ、北アフリカなどに約60種が分布する球根植物です。花の咲く時期で春咲き・秋咲き・冬咲きの3タイプに分けられますが、日本で広く親しまれているのは主に秋咲き系です。
コルチカムの名前はコーカサス地方にかつてあった古代国家コルキスに由来します。オータムリリー、イヌサフランなどの別名もあります。また、属名’Colchicum’の読み方違いで、コルキクムとも言います。
秋になると根も葉っぱもない状態の球根からにょっきりとつぼみを出して花を咲かせます。球根は土に植えずにころがしておくだけでも時期がくると花を咲かせます(※翌年も咲かせるためには土に植えてしっかりと水を与え、お日様にあてて育てなければいけません)。お店では陳列された状態で花が咲いてしまった球根を見ることもあります。前触れもなくにょっきりつぼみが伸びてくると、知っていても少しびっくりします。
一般的な生長期は冬から春で、開花後に根や葉を広げて球根に養分を蓄え、春に葉が枯れて休眠します(雪国では生長の始まりが春にずれ込み、初夏まで青い葉が残ることもあります)。秋に休眠から覚めると花を咲かせて…の繰り返しです。
花は一重で色は藤色がかったピンク色、花姿は和名や英名の通りサフランやクロッカスに似ています。園芸品種には八重咲きや白花種も知られています。サフランとクロッカスはアヤメ科、コルチカムはユリ科(イヌサフラン科)なので見た目とは違い植物としては縁遠いです。球根やタネに含まれるコルヒチンは痛風の治療薬として用いられてきました。細胞分裂を抑えて染色体を倍加させる効果もあり、植物の品種改良にも利用されます(代表的なものに、種なしスイカがあります)。
種類
野生種のコルチカム・アウツムナレ種とコルチカム・スペキオスム種の園芸品種が広く普及しており、夏の終わり頃からお店などで球根が並びます。代表的なものに重なり合った花びらも豪華な八重咲きの’ウォーターリリー’、一重ながら存在感たっぷりの大輪種’ジャイアント’、清楚な純白花の’アルバ’などがあります。