和名:水仙(スイセン)、雪中花
科名: 属名:ヒガンバナ科 / スイセン属
原産地:地中海沿岸
耐寒性:強い 耐暑性:中
スイセン(水仙)の育て方
スイセン(水仙)は早春を告げる球根花です。下向き加減に咲く姿は恥ずかし気でとても愛らく、一本の茎から何本も花が咲く日本水仙のような房咲き種や花びらが何枚も重なる八重咲種など園芸品種も数多くあります。環境があえば植えっぱなしでも栽培でき、ガーデニング初心者でも育てやすい球根花です。群生させて植えたり、チューリップと寄せ植えにしたりとお庭でも鉢植えでも幅広く楽しめます。
【植付け】 屋外
①用土
土質は特に選びませんが、水はけのよい土が適しています。水はけが悪いと球根が腐りやすくなるため注意してください。排水が悪い場合は、腐葉土やピートモスなどをすきこみ、水が溜まるようなら排水用の溝を掘るなどしてください。植込み前に化成肥料をよく混和し、根がしっかり生えるように耕しましょう。鉢に植えるときは市販の培養土でも大丈夫です。
②植え付け場所・置き場所
スイセン(水仙)は最適な場所に植えると植えっぱなしでもよく育つ植物です。最適な場所に植え付けてあげましょう。日当たりを好みますが、休眠期(7月~9月)、土の温度が上昇しすぎると球根が消耗してしまう場合があるため、真夏に球根の植え付けてある場所に光が当たりすぎない落葉樹の株元のような場所が適しています。鉢植えの場合は、夏場日の当たらない涼しい場所に移動するとよいでしょう。
③植え付け方
◆庭植えの場合
植付け前に元肥を散布しよく耕します。球根の高さ約2個分の深さになるように植え付けます。植えっぱなしにする場合は分球して増えるため球根と球根の間の間隔は球根約2個分が目安です。
◆鉢植えの場合
直径約24cmの鉢に10球が目安です。咲いたときに見栄えよくしたい場合は、密植気味に植えても大丈夫です。球根の高さ約1個分の深さになるように植え付けます。
【水やり】
土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。葉が枯れるまで水やりは続けます。夏場、球根は休眠期に入るため水やりは控えてください。加湿すぎると球根が腐りやすくなるので、花壇など水が溜まりやすい場合は排水溝を掘るなど排水対策が必要です。
【花後の管理】
スイセン(水仙)は基本的に花がらを摘む必要はありません。
葉を切ってしまうと光合成ができなくなり、翌年花を咲かせる養分を作れなくなるので注意してください。3~4年は植えっぱなしでも大丈夫ですが、球根が混みあうと花つきが悪くなるため、葉が枯れる時期(7月頃)に球根を堀上げましょう。
葉や根、土を取り除き、ネットなどに入れて日の当たらない、風通しの良い涼しい場所で保管してください。その際、球根が腐りやすくなるため水洗いはしないでください。
【肥料】
植付前、元肥として緩効性化成肥料を土によく混ぜます。スイセンはチッ素過多になると、球根が腐りやすくなります。油かすや鶏糞などは与えないでください。追肥の必要はありませんが、植えっぱなしの場合は10月~11月頃にパラパラと緩効性化成肥料を撒いてください。
▶元肥 花壇:約20~25g/m2 鉢・プランター:約3~5g/鉢
▶追肥 必要なし
*緩効性化成肥料として、球根専用肥料をおすすめしています
【病害虫】
スイセン(水仙)で気を付けたい病気は「軟腐病」です。春以降気温が高くなると球根が腐る病気です。窒素分が多かったり、排水が悪いとことが原因で、発生すると防ぐことはできません。また春以降、アブラムシがつくことがありますので、早めに見つけて園芸用エアゾール式殺虫剤をかけて防除してください。
*注意*スイセンの葉や茎、球根には人体や動物に有害な毒が含まれています。口に入れたり食べたりしないでください。特に葉はニラによく似ており、植付場所など気を付けて取り扱いましょう。