野生のチューリップから伝説のチューリップへ

野生チューリップの自生地

チューリップの原生地

チューリップの原生地

チューリップの祖先は中央アジアから地中海沿岸にかけて自生していたと考えられています。チューリップの原生種は色や形は様々ですが現在のチューリップほど背は高くありません。強風が吹き荒れ、夏は地表面が40℃を超える乾燥地帯、その中を生きるために背丈を低くし、そして球根を身につけたと考えられています。

 

野生チューリップの研究で有名なアンナ イヴァシェンコ博士(カザフスタンのIle-Alatau国立公園の主任研究員)によると「チューリップの先祖は1~2千万年前に現在のカザフスタン領地内の天山山麓と砂漠地帯で発生した。そこから北と南、東と西へ移動した。現在カザフスタンは多様なチューリップの原種の中心地である。カザフスタンで三十七種類のチューリップが自生する。これは他の国に比べても相当多い。カザフスタンの野生のチューリップであるTulipa schrenkii(Tulipa gesneriana)、Tulipa greigiiとTulipa kaufmanianaは世界中に栽培され、数百の栽培種の先祖である。」

「チューリップは多年生鱗茎植物である。大輪のチューリップの多くは自然界で種子のみで殖える。実生は自然界では十~十五年目に初めて花を咲かせる。そして時折休眠しながら数十年間にわたって咲き、次第に老化、枯死する。野生チューリップの一生は人間の一生に似ている。チューリップも同じように五十年~七十年間咲き続けることも可能である。」

 

カザフスタンの自然動画(ingeborg van leeuwen Wild Kazakhstanよりリンク)


伝説のチューリップから現在のチューリップへ

現在品種登録されているチューリップは7000品種近くあり、流通している園芸品種のほとんどはゲスネリアナ種という一つのグループに分類されています。このグループは野生種の一部から派生したとされており、17~20世紀初頭にかけて育成されたディックファントールやカイザースクルーンといったチューリップが、現在の園芸品種の祖先と考えられています。これらの「伝説のチューリップ」はオランダのHortus Bulborum や富山県花卉球根農業協同組合で保存維持されています。

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種名/品種名英名登録年系統花色草丈
デュックバントールバイオレットDuc van Tol Violet1700SE紫白25
カイザースクルーンEnkel vroeg Keizerskroon1750SE赤黄35
ウールブラムEnkel vroeg Vuurvlam1807SE25
ジュリエットBreeder Juliet1840SL40
デュックバントールスカーレットDuc van Tol Scarlet1850SE25
アルタスEnkel vroeg Artus1860SE30
ロイ クラモイシEnkel vroeg Roi Cramoisie1860SE20
タリスマンBreeder Talisman1860SL50
ファンデルネールEnkel vroeg Van der Neer1860SE25
デュックデベルリンEnkel vroeg Duc de Berlin1860SE赤黄30
カーディナルズハットEnkel vroeg Cardinal's Hat1860DE30
プロフェッサースコッテルBreeder Prof Schotel1870SL50
エレガンス ルブラLeliebl.Elegans Rubra1895L40
マベルBreeder Mabel1900SL桃白40
プリンセスアマリアDarwin Princess Amalia1908SL45
プリンセスジュリアナDarwin Princess Juliana1910
SL55
デュックバントールサーモンDuc van Tol Salmon1914SE20
ブルーアイマーブルDarwin Blue Aimable1916SL50

引用文献
カザフスタンの野生のチューリップ アンナ イヴァシェンコ 万華鏡238号/チューリップの素顔